18th定演 第2部 解説&コメント

01.ドビュッシー 『子供の領分』 から 「6.ゴリウォーグのケークウォーク」
愛娘のシュシュが大好きだった黒人人形が踊りだすイメージと、アメリカのダンス「ケークウォーク」の音楽をヒントに作られました。この曲にはワーグナーの『トリスタンとイゾルテ』の冒頭が引用され、まるで観客が笑っているようなフレーズが続きます。
♪なつ 軽快なリズムと、ゆったりした不思議な部分があるところが好きで選びました。私が弾くと、テンポがゆっくりめですが、最後まで楽しく弾けたら嬉しいです。

02.ショパン 「即興曲 第4番」(幻想即興曲)
「下書きの曲は焼却するように」と彼が遺言していた中に、この曲も含まれていました。のちに遺族の同意を得て友人のフォンタナが出版したため、有名なピアノ曲の一つとして残っています。リズムが異なる両手が織り成す華麗な響きと、おおらかな歌が対照的です。
♪megumi ショパンが好きで、数年前、初めてノピアの演奏会で弾いた大好きなこの曲をもう一度弾きたいと思い選びました。当日、緊張していたのを覚えています。今回はリラックスして弾ければいいなと思っています。

03.レ・フレール 「ノエル・ド・キャトルマン」
レ・フレールは兄弟のピアノデュオで、独自のプレイスタイルとエネルギッシュな演奏が魅力です。キャトルマンは四手連弾のことで、鍵盤に対して様々な形で手を交差させるなど、独特な奏法がこれまでのピアノ観を覆しています。今回は様々なスタイルでのクリスマス・メドレーです。
♪ゆっか&まりあ 曲を急遽変更したので思うように時間が取れませんでしたが、12月の定演で誰もが知っているクリスマス・メドレー全14曲を弾いて、楽しく盛り上げたいです。クラシックとは違う難しさがありましたが、ノリで弾きます!

04.シューマン 『クライスレリアーナ』 から 「第3曲」
ショパンに献呈されたこの曲集のタイトルは、ホフマンの小説に登場する「楽長クライスラー」から取られています。叶わぬ恋を描いたこの小説に、彼はクララとの恋愛を重ねていました。結婚に反対され苦しんでいた時期に、音楽の創作が唯一の救いとなって、傑作が多く生まれました。
♪Ken 情熱的で非常に好きな曲集の1曲です。私には難し過ぎるのが残念ですが、発表会を機に、背伸びした選曲に対し、今回、どこまで気持ちを表現できるかに挑戦させていただきます。とても曲が要求する程、指が廻りません。初めての参加ですが、どうぞよろしくお願いします。

05.ショパン 「ノクターン 第8番」
対照的な第7番と共に、身分の高い女性に捧げられたことから、「貴婦人のノクターン」と呼ばれることもあります。左手は彼が影響を受けた、フィールドが好んだ大きな跳躍を含むアルペジオ。メロディーには繰り返しのたびに装飾的変化が加えられ、高音の煌きが際立ちます。「近くて遠い」半音の転調もスムーズです。
♪ヒム ショパンのノクターンの中で、最も好きな作品の一つです。旋律の優美な装飾、胸が締め付けられような転調の移ろい。奥深いショパンの美意識の世界に、憧れの想いを込めて弾いてみたいです。

06.ベートーヴェン 「ピアノソナタ 第17番」(テンペスト) から 第3楽章
曲の解釈について彼が「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と言ったのが、通称の由来とされていましたが、彼の秘書の作り話だったと考えられています。難聴の苦しみから遺書を書いた頃に作られましたが、今までの作品に満足せずに、新しい道を進む決意が感じられる曲です。
♪かりぽん 心の葛藤をイメージするような旋律が、今の私にピッタリあい選曲しました。反抗期の娘が大変で… 自分の技量に合わない高望みの曲で、未熟ですが曲のイメージにのって弾きたいです。

07.ショパン 「ワルツ 第14番」
歯切れ良く技巧的な部分と貴族的で華やかな部分が好対照をなしています。華やかな演奏技巧で名をあげようとしていた時期の作品で、有名な第1番よりも前の作品です。彼のワルツの中でも技巧的な曲の一つで、アンコールピースとしてもよく弾かれます。
♪ささめゆき 昨年、27年ぶりにピアノを再開した時、1年以内に弾きたい憧れの曲の一つにリストアップした曲です。哀愁漂うメロディーに柔らかさと華やかさが加わり、まさに大人のワルツ。甘美な旋律から、緊迫した場面へと、表情が目まぐるしく変わるところも魅力的で、弾いても聞いても飽きることがない大好きな曲です。優美な大人の演奏を目指します。

08.アラン・メンケン 映画『美女と野獣』 から 「ビューティー・アンド・ザ・ビースト」
吉田美和(ドリームズ・カム・トゥルー) 『ラブ・ゴーズオン』 から 「未来予想図II」
1曲目はセリーヌ・ディオンとピーボ・ブライソンのデュエットで、アカデミー賞歌曲賞を受賞しました。2曲目はドリカムの代表曲の一つで、数多くのカバーがあります。2007年にリメイクされ、今年はCMでも流れていました。
♪つっちー&いもいも 共に同じ編曲者による連弾アレンジですが、伴奏とメロディというよくあるアレンジではなく、転調したり、アドリブ風の掛け合いが使われていたりして、とても複雑で凝った編曲です。その為、今まで弾いた連弾曲では 譜読みも合わせもいちばん難しかったです。

09.ショパン 「ノクターン 第13番」
ノクターンの中で最も雄大な曲です。悲劇的な重々しいテーマは中間部のコラール風テーマに引き継がれ、3連音のオクターブを伴って、次第に活力を増し、そのまま主部テーマを3連音のリズムで再現します。そして全ての葛藤を終えるかのように、幕が引かれます。
♪サファイア 「一生の間にいつかは弾きたい曲」は数々ありますが、この曲もまさにその一つでした。暗闇の中で祈るような静けさから、やがて、高まる感情の波に揺さぶられるようなドラマチックな展開が、たったの数分間に凝縮されていて、本当に神妙な気持ちになります。

10.ブラームス 『7つの幻想曲集』 から 「第6番」「第7番」
3つの情熱的な奇想曲と4つの夢想的な間奏曲からなるこの曲集は、晩年になって初めての小品集です。1曲目は対位法的部分と、無言歌のような部分からなり、優しくもどこか寂しげな雰囲気。2曲目は右手と左手が逆に進行するドラマチックな曲です。
♪きよっぴ 間奏曲と奇想曲からなる曲集です。今回は最後の2曲を演奏します。前回の定演ではシューマンを弾きましたが、やはり好きなブラームスが弾きたくて選びました。曲想の異なる2曲、色々な音色で表現したいと思います。