12th定演 第2部 解説

1.ベートーヴェン 「ピアノソナタ 第4番」 から 第一楽章
「不断の勤勉によって受け取りたまえ、ハイドンの手からモーツァルトの精神を」というワルトシュタイン伯爵のエールを胸に、ベートーヴェンはウィーンに活動の場を移し、ハイドンらの元で作曲の勉学に明け暮れました。のちの人生と時代と音楽の厳しさと相対するような響きはまだなく、ただ未来に思いを馳せる新進作曲家の姿が浮かびます。
♪とっきー ベートーヴェンのソナタの中では、あまり有名ではないとかと思うのですが、爽やかで可愛い印象を受け選曲しました。この曲の魅力を少しでも伝えられたらと思っています。

2.ショパン 『エチュード 作品10』 から 「第3番」(別れの曲)
「一生のうち二度とこんなに美しいメロディーを見つけることはできないだろう」とショパン自身が語ったと、弟子のグートマンが伝えています。この曲を練習していた彼の腕をとったショパンが「おお、わが祖国よ」と叫んだという話も残っています。当初の構想では、もっと軽妙な音楽でしたが、最終的にゆっくりしたものに改められました。
♪メイ 『別れの曲』として誰もが知っている曲ですが、有名過ぎて弾かず嫌い?でした。今は曲の美しさに感動しながら弾いています。メロディーと和音の美しを届けられるよう、心を込めて弾きたいと思います。

3.アルベニス 『イベリア』(12の新しい印象)から 「第1巻 第2曲」(港)
洗練された技法にスペイン情緒溢れる感性が加わった、独創的な最高傑作です。南スペインへの郷愁や賛美の念と、その音楽を世界へ届けたいという願いが込められています。3つの舞踊形式のリズムが活かされ、踊り手の靴音や明朗な歌声などの、活気溢れるサンタ・マリーア港の様子がリズミカルに描かれています。
♪るい スペインの独特の哀愁とリズムが印象的で、この曲に挑戦しました。以前訪れて強く惹かれた、南スペインの情景を表現できればと思います。

4.ショパン 「ノクターン 第2番」
  ラフマニノフ 『幻想的小品集』 から 「第2番」(前奏曲 鐘)
1曲目はゆったりしたワルツ風で、優雅なサロンが目に浮かぶようです。メロディーの装飾的な変奏にはイタリア・オペラの影響が見られます。
2曲目はクレムリン宮殿の鐘に触発されたといわれています。印税を受け取れず、報酬はわずか40ルーブルだけでしたが、他のピアノ曲がかすんでしまうほどの評判でした。
♪たんぽぽ フィギュアスケートの浅田真央選手が復帰するということなので、みんなに感動をくれたオリンピックで使用した曲を弾くことにしました。有名な曲なので緊張感がありますが、頑張ります。

5.ラヴェル 「ソナチネ」 から 第2章、第3楽章
ラヴェルが作曲コンクールのために書いた曲で、小節数の規定のため小規模な作品です。どれもが魅力的な旋律で、繊細な響きをふんだんに用いながらも、古典的形式に則って簡潔にまとめられています。当時から大好評で彼の名を広めた曲です。第2楽章は無駄のない和声上を優美で可憐な旋律が流れ、第3楽章はロンド形式で快活なパッセージが活躍します。
♪いもいも TV CMで流れていた第二楽章のメロディーが心地よく、弾いてみたいと思いました。ラヴェル特有の音使いや第三楽章の音の多さ、変拍子も素敵で、私にとってソナチネ?なんていっていられない難曲です。

6.シューマン=リスト 「献呈」
シューマンの歌曲・ミルテの花、全26曲の第1曲をリストがピアノ曲に編曲したのがこの曲です。結婚の前夜、シューマンはクララに愛の歌を贈りました。白や淡いバラ色でとても香りが良い、ミルテの花は花嫁の装飾に使われて純潔を表すとされています。クララの編曲は原曲に忠実で、響きも夫のものと全く変わりませんが、リストは原曲よりも華やかです。
♪Rie 昔からとても好きな曲です。恋人を想う心をあらわす熱狂的な恋の曲。キラキラしたイメージが表現できるよう、感情を込めて弾きたいと思います。

7.ファリャ 『バレエ 恋の魔術師』 から 「火祭りの踊り」
未亡人の恋に、亡き夫の亡霊が嫉妬し邪魔しようとします。彼女は友人に、亡き夫の霊を誘惑させ、その間に自分の恋を成就させます。火祭りの踊りは悪魔払いの際の音楽で、呪術的旋律がうたわれ、燃えさかっていくトリルの炎が怪しげな雰囲気を盛り上げます。とり憑かれたように踊り狂い、高まっていくクライマックスは劇的です。
♪KAQ スペインの作曲家にほとんど馴染みがなかったので選曲してみました。激しく情熱的な演奏を目指したいと思います(^_^)

8.ショパン 「バラード第3番」
当時のショパンの幸せな気分を反映してか、全体的に和やかな雰囲気に包まれ、暖かい魅力に満ちています。「この曲はライン川の美しい歌を歌う水の精(ローレライ)の物語である」とショパンがハイネに語ったとも、湖に棲む美しい妖精と若い狩人の愛と裏切りを描いた詩にインスピレーションを得た曲であるとも言われています。
♪みイ ピアノに真剣に向き合って日の浅い私にとってショパンのバラード3番は、大曲です。美しい曲です。ショパンの響きが少しでも表現出来たら幸いです。

9.プロコフィエフ 『バレエ ロミオとジュリエットからの10の小品』 から
  「第4番」(少女ジュリエット)「第6番」(モンタギュー家とキャピュレット家)
1曲目は茶目っ気たっぷりの旋律を中心に、美しさや静かな憧れに満ちた旋律から、ジュリエットの多面的な魅力が伝わってきます。
2曲目は重々しく威圧的な騎士と貴婦人のダンス。中間部では、両親が結婚を勧める青年と、ジュリエットが美しく感傷的に踊ります。
♪まーくん プロコフィエフの独特の和音や、ユーモアのある曲想が好きで、取り組みやすい小品を弾きたいと思い、「ロミオとジュリエットの10の小品」より2曲選曲しました。2曲目はテレビCMでお馴染み、親しみやすい曲です。どちらの曲も、場面が移り変わっていく様子を表現できたらと思います。

10.ショパン 「ノクターン 第13番」
ノクターンの中で最も雄大な曲で、クライマックスを計算した三部形式です。悲劇的なハ短調のシンコペーションで始まる重々しいテーマは中間部のコラール風テーマに同主長調で引き継がれます。それが3連音のオクターブを伴って次第に活力を増し、そのまま主部テーマを今度は3連音のリズムに乗せて再現します。そして全ての葛藤を終えるかのように幕を引きます。
♪miwa 昔に一度弾いたことのある曲ですが、暗いのに華やかなところが好きでこの曲にしました。

11.トリスタン・ミュライユ 「告別の鐘、そして微笑み」
フランスの現代音楽作曲家である彼の作曲思想の源泉は、作品を聴いている間に耳で思い出せるオブジェです。一時期は鍵盤楽器奏者としても活躍し、オンドマルトノの録音も出しています。『のだめカンタービレ』で、彼のピアノ曲「ラ・マンドラゴール」の練習シーンが描かれたことで、現代音楽ファン以外にも名を知られるようになりました。
♪あっとまーく 2010年、某作曲コンクールの審査員としてミュライユが来日した際に某音大で彼の講演があり、その冒頭でこの曲の実演を聴いて感銘を受け弾いてみたいと思っていました。その時の感動を演奏で表現できたらと思います。

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