12th定演 第1部 解説

1.モーツァルト 「四手のためのピアノソナタ」
9歳のモーツァルトがロンドンでの演奏会のために作曲したといわれるこの曲は、鍵盤が見えないように布を被せて演奏されたと伝わっています。第一奏者である姉の左手が第二奏者である少年の右手を越したときには、ロンドンの人々は驚いたことでしょう。似たような姿勢の姉弟が、モーツァルト一家の有名な絵に描かれています。
♪ムクピ ムクピが初めてモーツァルトに取り組んだ曲です。簡素ながら絶妙な均衡で成り立っている初期作品を多少の遊び心を含めて美しく演奏することが目標です。二段鍵盤を想定した曲なのでピアノ演奏では交差や重なる音の問題が生じています。

2.ショパン 「即興曲 第4番」(幻想即興曲)
この曲が彼の死後に出版された理由については、モシェレスの曲と似ていることに彼自身が気付いたという説や、献呈者に売ったためという説などがあります。左右の異なるリズムが織り成す華麗な響きに満ちた主部。それとは対照的に中間部のおおらかな歌。主部に復帰した後に輝きを増すコーダ。最後は中間部の主題が幻のように静かに歌われます。
♪megumi 数あるピアノ曲の中で、最も良く知られる作品の一つですが、中学3年生のピアノ発表会で弾いた思い出の曲で、大好きな曲ですので、頑張って弾きたいと思います。

3.フォーレ 「ノクターン 第3番」
優雅な主題がアウフタクトで始まり、半音階を中声部に用いた特徴的な進行です。左手が三連符で右手が8分音符のポリリズムには、ショパンの影響が認められます。青年時代のフォーレの美しく抒情的なパッセージのお手本は、ショパンの豊かに装飾されたしなやかなメロディーラインでした。この曲には彼自身による2種類の録音が残されています。
♪Clara フォーレを弾くのはこの曲が初めてです。それも私の大好きな変イ長調。夢とも現実ともつかない音の世界に浸っています。

4.バッハ 『6つのパルティータ』 から 「第2番」ロンド
イギリス組曲やフランス組曲といった、バッハの一連のクラヴィア組曲集の集大成にあたり、彼の数多くの作品の中で最初に出版された曲集です。平均率クラヴィア曲集第2巻やゴルトベルク変奏曲などと並んで、クラヴィア組曲の最高峰とされています。ロンドとは異なるメロディーを挟みながら、同じメロディーを何度も繰り返す形式です。
♪ジヨン …φ(_ _) ZZZzzz…

5.ショパン 「マズルカ 第37番」
旧友の願いとして妻に何か書いていただけませんか、とのメンデルスゾーンからの手紙への返答として、ショパンはこの曲の楽譜を送りました。4小節の快活な動機を繰り返す三部形式ですが、初めの繰り返しでは対旋律を加えて多声的に、中間部の後には左手の低音部で変奏されることで、豊かな色彩感を見事に表現しています。58曲のマズルカの中でも名曲中の名曲です。
♪maki 去年コンサートで聴いたのをきっかけにマズルカに挑戦しています。割と短い曲で、雰囲気が次々に変化する中、統一感があるように演奏したいです。

6.ラベル 「古風なメヌエット」
この曲は彼がまだパリ音楽院の学生だった頃に作られました。タイトル通りの形式をそのまま用いていて、メロディーも素朴で温かくロマンティックですが、彼特有の都会的な洗練された小品です。冒頭の音型をテーマに用いて左手にも巧みに登場させています。中間部では穏やかなメロディーが流れますが、その終わり近くで挿入される冒頭の音型が絶妙な効果をあげています。
♪ハーセス …φ(_ _) ZZZzzz…

7.ショパン=リスト 『6つのポーランド歌曲』 から 「乙女の願い」
パリで親交を深めたポーランドの詩人、ヴィトフィツキの詩にショパンが10曲を作り、17曲の中から6曲をリストがピアノ独奏に編曲しました。私がお日様だったらあなたでなければ照らしません。あなたの窓辺で一日中あなた一人を照らします。恋する乙女を太陽と小鳥になぞらえたこの曲は、その中で最もポピュラーです。
♪ヒム リストの編曲もので何かいい曲がないか、楽譜をめくっていてこの曲に気がつき、可愛らしい曲想が気に入って選びました。ショパンの作曲に歌曲があるのは初めて知りました。バリエーションごとに変化を表現して弾けたらと思います。

8.ショパン 「マズルカ 第14番」「マズルカ 第15番」
この2曲を含む作品24を作曲した頃、パリで活動し始めてから数年が経ったショパンは、作曲家としてもピアニストとしても充実期に入っていました。第14番はポーランド民謡がそのまま使われた繊細で美しい曲。第15番は4小節の序奏から、急速な部分と比較的ゆったりとした伸びやかな部分が続き、転調した快活なテンポの部分も楽しげです。
♪ポッポ つれづれなるままに綴られたエッセイのようなショパンのマズルカが大好きです。雰囲気の違う2曲ですが、リズムを大事に、ノスタルジーを表現できるように弾きたいです。

9.サン=サーンス 「アレグロ・アパッショナート」
作曲のきっかけはパリ音楽院のピアノ科の卒業試験でした。レパートリーに困らないピアノで、ショパンが頻繁に取り上げられていた19世紀後半に、当時存命の作曲家であったサン=サーンスに作曲が依頼されたのは、彼の評価の高さを裏付けるものです。曲は嬰ハ短調で始まり嬰ハ長調で終わる、ソナタ形式の要素を持つ複合・三部形式です。
♪りほ 初めて弾いたとき、まるで試験曲のようだなあと思っていたら、案の定、コンクールの課題曲としてサンサーンスが作曲したとされていました。熱情的に弾くことを指示しながらも、終始、曲の根底に一貫して流れる8分の6拍子の刻みを、正確に感じ取り、次々と出てくる変拍子対応しながら「君は弾けるかな?」と試されているような曲です。

10.ラフマニノフ 『プレリュード 作品32』 から 「第5番」
  ラフマニノフ 『プレリュード 作品23』 から 「第6番」
1曲目は穏やかな分散和音にのせて、美しい旋律が奏でられます。細かい音の動きは鳥の声を模していて、全体的に静かですが、華やかなカデンツァも印象的です。2曲目は美しい旋律と和声がとても魅力的です。左手で分散和音が柔らかく上下する中で、甘美で幸福に満ちた旋律がオクターブで奏でられます。
♪masumi ラフマニノフの音楽と出会ったのは、中学生の頃、ピアノ協奏曲2番を聞いた時でした。とても感動したのを覚えています。今回はその憧れのラフマニノフに挑戦しました。甘く、優しい穏やかな曲調が大好きです。大切に演奏したいと思います。

11.ブラームス 『6つの小品』 から 「第1番」「第2番」
この曲集はクララ・シューマンに献呈されました。1曲目は上下に動く分散和音が醸し出す彼特有の音域の広い和声が非常に美しいです。2曲目の懐かしさを感じさせる第1部では、何度も確かめるように様々な和声進行で、同じモチーフのメロディーが現れ、中間部では、短調でメランコリックに、長調で内面的に、かつての思いが奏でられます。
♪きよっぴ ブラームスが晩年にどのような想いを表現したかったのか…想像しながら演奏してみたいです。

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